インスーからの贈り物


いじめなんでも相談ふじさわ訪問相談員 山中千鶴

     

20021123日、早朝。私は名古屋でのワークショップに参加するため、新幹線に乗っていました。

 4月から大学を離れて臨床活動に従事していた私は、久しぶりにじっくりと講座を受けられる2日間を少しの緊張と大きな期待で迎えていました。

 インスー先生のワークショップに参加するのは、今回で2回目でした。少しでも多くのものを得ようと、私はひそかに意気込んでいました。

 私の臨床活動の現場は学校で、当然、短期療法を知っている人は少ない人数になります。ましてや学校の先生方に求められる説明はいかにも、といった「こうなった原因はなんですか?」というものであったりすることが大半です。私はやんわりと話をproblem focusedされたものから、solution focusedされたものへと移行させていく日々が続いていました。私は学生時代の短期療法にどっぷりと浸かった生活とあまりに違う毎日で、少しずつ、短期療法の「空気」というかそんなものが体から薄くなってきているように感じられて、少しの不安もあったのでした。

 ワークショップ会場に着くと、多くの人々の熱気と、去年と同じ会場ということもあってか、少しの懐かしさを感じました。それだけでも私は安心したし、なんだか嬉しくもありました。しかし、講義が始まると、それはもっと強いものになっていたのです。

 コンプリメントの話から始まったワークショップは、スーパービジョンについてという本題へと移っていきました。私にとってのスーパービジョンとは、当然「していただくもの」であり「するもの」ではないので、正直「私には早すぎる内容では?」と思いました。しかし、スーパーバイズとは何か?から始まった話は、カウンセリングに通じる考え方ももちろん多く含んでおり、また違いについても分かりやすく説明されたものでした。何より2つのケースに対しての目前でのスーパーバイズでは、2人の若手カウンセラーの難事例への見事なカウンセリングに素直に感心し勇気をもらえたし、インスー先生のスーパーバイズのcollaborativeな姿勢は、多くの勇気と自信をスーパーバイジーである2人に与えていましたし、2人の中から次の変化への可能性を示唆してもいたと思います。また、インスー先生への質問を集め、答えてもらう時間では、私も聞いて見たい質問が多くあったので、その回答はとても興味深いものでした。今回のワークショップでたったひとつ残念なのは、そのすべてに回答が得られなかったことです。自分の質問としても回答を待っていたものが多かっただけに、インスー先生がどう答えてくださるか気になってしまっていたのです。それでも、返された答えからも多くのものを得られたのですけれど。

 シンポジウムは、ソリューション・フォーカスト・アプローチを組織の中で利用するということについてでしたたが、各シンポジストの先生方からのお話はソリューション・フォーカスト・アプローチが応用できる幅の広さを示していたと思います。実際、私も学校の毎日の活動のなかに応用していけたら、何かとても面白いのではではないかと感じていたので、インスー先生が具体例として出されたある高校での試みは、とても興味深いものでした。

 ふと気付くと終了予定時刻を押していて、あっという間に2日間のワークショップは過ぎて、終わってしまっていました。確かに疲れましたけれど、ワクワクしつつもどこかでホッとしていた時間であったし、「次の面接、早くしてみたい」と思わせてくれた時間でした。久しぶりに会った、友人・知人との会話は嬉しいオマケでもありました。なによりも「もっと学ばなければ」とも思えたし、そういった気持ちを新たにもしてくれた、刺激のぎっしり詰まった2日間でした。そして、私の中で薄まってしまっていたように感じていた「空気」をしっかり補充することもできました。私の期待は裏切られることはありませんでした。それはインスー先生をはじめ、スタッフの皆様のご尽力のおかげと思います。そして欲張りな私はまた、次のワークショップもさらに大きな期待をして参加するのだと思います。

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